ピッコマで公開されている「暴君を手懐けて逃げてしまった」のネタバレと感想になります。
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「暴君を手懐けて逃げてしまった」の漫画は「ピッコマ」で公開されています。
【9話】ネタバレ
教科書での授業
ディランに剣術以外のことを教える初めての日。
シャーリーズは入手した帝王学の教科書を彼に渡し、まずは50ページまで読むようにと言う。それで分からないことがあれば質問するようにと。
初日だから軽めに進めましょうと微笑むシャーリーズだが、この教科書の一般的な進度は最大でも5ページずつだ。
50ページとは明らかに普通ではなく、軽め…?とディランも少し戸惑うが、彼ならそれくらい余裕だとシャーリーズは考えたようである。
ディランが教科書を読んでいる最中、向かいに座っているシャーリーズはマナサークルを作る訓練をしていた。
剣に宿っていた歴代皇帝の剣気を呼び覚まし、マナの主人となる時間である。
そんな彼女をチラッと見るディラン。彼は少しシャーリーズのことを気にしているようだ。
それもそのはずで、魔術師は皆年老いており、シャーリーズのような若さでマナを扱うのは奇跡のようなもの。彼の目の前で起こっていることは世界の法則に反するような出来事であり、気になってもおかしくはない。
そして彼は日も沈まぬうちに、言われた通り本を読み終えるのだった。
忍耐強く待つ釣りのように
指定した場所まで本を読み終えたディランに、早いですねと微笑みかけるシャーリーズ。
何か質問はありますかと彼女が言うと、彼は少しうつむきながらこう言った。
一度も師匠から家族のことを聞いたことがありません…と。
シャーリーズからしたら家族のことなど誰にも話したくはない。特にディランには。
少しだけ沈黙した後、今のは忘れて下さいと言うディラン。そして特に質問はないと。
そこまででその日の授業は終わり、シャーリーズは立ち去って部屋から出て行った。
そして廊下を歩くシャーリーズは、さっきのディランの表情を思い出していた。
彼女のことを引き止めこそしなかったが、ディランの瞳は一瞬揺れていたのだ。それはシャーリーズに対する好奇心によるものなのだろう。
その好奇心が溢れ出す瞬間をシャーリーズは忍耐強く待っているのだ。エサに魚がかかる釣りのように。
そしてその日の夜、暗い部屋でベッドに横になりながらシャーリーズはディランの言葉を思い出していた。
一度も師匠から家族のことを聞いたことがありませんという言葉だ。
彼女は遠い目をしながら、家族か…と一言呟くのだった。
【9話】感想
シャーリーズとディランの距離感は相変わらず。決して親しくなっている感じはありませんが、それでもディランからの関心が増しているのをシャーリーズは感じているようです。
彼女の狙い通り、好奇心が溢れ出すタイミングは訪れるのでしょうか。
また最後に、家族か…とシャーリーズが呟く場面も印象的でした。一体何を思ったのですかね。
家族に対する関心は全くなくなったはずですが、それでもやはり心のどこかに愛されたいという気持ちが残っているものなのでしょうか。
シャーリーズの心情が気になるところです。
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